はくさい 白菜 Chinese cabbage
基礎データ DATA
ハクサイの旬(出回り時期)
※これはハクサイの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています
ハクサイの概要
白菜は鍋料理や漬け物に欠かせない野菜です。水分が多くて歯ざわりも良く、クセがなくてヘルシー。煮込むと甘味が出てとろけるようなやわらかさになり、漬け物にするとほどよい食感を残したまま味がよくしみこみます。
また白菜は低カロリーなので一度にたくさん食べられるのも魅力です。ほとんどが水分で、100gあたり13~14キロカロリーしかありません。栄養価も適度にあるのでダイエット中の人にもおすすめです。
ハクサイの歴史
白菜はキャベツと同じアブラナ科の野菜です。原種は地中海沿岸が原産地とされていますが、白菜として発達したのは中国北部で、7世紀頃に最初の白菜の形が誕生したと考えられています。最初は丸くならない不結球型で、16~18世紀頃に結球するようになったといわれています。
日本に白菜が渡来したのは江戸時代末期で、本格的に栽培が行われるようになったのは日清・日露戦争後といわれています。しかし当初は結球させるのが難しく、試行錯誤したようです。その後、宮城県や愛知県、石川県で結球性の高い品種の育成に成功したことで、大正時代から昭和初期にかけて一気に全国に普及しました。
ハクサイの選び方(見分け方)
外葉が緑色で葉の先までしっかりと巻いていて、頭の部分を軽く押して弾力があるもの。また白い部分にツヤがあり、ずっしりと重いものを選びましょう。その際、芯の部分が変色していないかもチェックします。
カットしてある場合は、葉が詰まっていてみずみずしく、断面が盛り上がっていないものが新鮮です。芯の長さが1/3より長いものは育ちすぎていて味が落ちる傾向にあります。
白菜には、白い部分に黒い斑点が見られる「ゴマ症」というものがあります。この現象はチッソ肥料の過多や土壌成分の状態などが要因とされます。見た目は気になりますが、食べても問題ありません。
ハクサイの保存方法
丸ごとの場合は乾いた新聞紙に包んで冷暗所で保存します(新聞紙が湿ってきたら取り替えます)。使うときは外側の葉から1枚ずつはがしていきましょう。寒い時期なら2週間程度持ちます。
夏場やカットしたものは、切り口部分までしっかりとラップに包んで冷蔵庫の野菜室へ。いずれも縦にして置いておくと白菜の呼吸量が減って日持ちがよくなります。
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ハクサイの食べ方
漬け物、鍋料理、煮物、炒め物など
白菜は葉の厚さが違うため、部位によって火の通りも変わります。ゆでる際には、芯に近い葉の厚い部分を先に入れて、葉の薄い部分は少し時間をおいてから入れるようにしましょう。または厚い葉の部分をこそいで切ったり、切り込みを入れれば火の通りがよくなります。
なお、白菜をゆでたり煮込んだりすると、栄養が煮汁に溶け出してしまうため、これらもなるべく残さず摂るようにしましょう。
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ハクサイの栄養と効能
ゆで:カリウム(160mg)、カルシウム(43mg)、ビタミンK(87mcg)
注目成分
グルコシノレート
期待される効能
がん予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防
白菜にはカリウムが多く含まれているので高血圧など生活習慣病の予防に効果が期待できます。
また骨を丈夫にしたり血液の凝固作用のあるビタミンK、さらには骨の健康に欠かせないカルシウムも多く含まれます。
それほど量は多くありませんが「グルコシノレート」も含まれています。グルコシノレートはアブラナ科の植物に含まれる成分で、がん予防に効果があるといわれています。
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ハクサイの種類(品種)
円筒型
2〜4kgほどの一般的な大型の白菜。葉が結球した円筒形(包被型)で、外葉が緑色、中は黄緑〜黄色がかっています。水分が豊富で甘味があり、加熱するとまろやかな食感になります。
砲弾型
円筒型の白菜に似ていますが、葉の上部があまり重ならない抱合型で、少しとがった形をしているのが特徴。サイズは2〜4kg程度で、どっしりとした形をしています。
砲弾型の関連リンク
長円筒型
縦長の円筒形で細長い形をしています。長さは40〜50cmほどで、その見た目から「タケノコ白菜」とも呼ばれます。重さは2〜3kgくらいで大きなものは5〜6kgになるものも。葉はややかためで甘味があり、煮崩れしにくいので炒め物や鍋物に最適です。
ミニ白菜
重さ1kg前後の小型白菜。一度に使い切れるサイズで扱いやすいことから需要が高まっています。味や食感は普通の白菜と変わらず、鍋物や炒め物、漬け物などに利用できます。品種には「娃々菜(わわさい)」や「タイニーシュシュ」「お黄にいり」などがあります。
オレンジ白菜
外葉は緑色ですが、中の葉がオレンジ色をしているのが特徴です。「オレンジクイン(オレンジクイーン)」という品種は白菜とヨーロッパ産のカブを交配したもので、甘味が強く、漬け物や炒め物はもちろん、生のままサラダにしてもおいしく食べられます。
山東菜(さんとうな)
白菜の一種で「さんとうな」または「さんとうさい」と呼ばれます。葉先が開いた半結球の形をしていて、サイズが3〜6kgと白菜よりも大きくなるのが特徴。葉は肉厚でやわらかく、漬け物に使われることが多いですが、白菜と同じように調理することも可能です。また、小さいうちに収穫されるものは「べか菜」とも呼ばれ、こちらは使い切りサイズとしてお浸しや炒め物などに適しています。
紫白菜
葉が紫色をした白菜で、サイズは1.5~2kgくらいとやや小ぶり。葉がやわらかくサラダや浅漬け、炒め物などにおすすめです。赤紫色はアントシアニンによるもので、ゆですぎると少し色が落ちます。品種としては「紫奏子(むらさきそうし)」があります。
各地の年間収穫量 白菜
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年の白菜の収穫量のうち最も多いのは茨城県で、約24万4,100トンの収穫量があります。2位は約23万3,500トンの収穫量がある長野県、3位は約2万7,000トンの収穫量がある群馬県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年の白菜の栽培面積は約1万6,000ヘクタール。収穫量は約87万4,600トンで、出荷量は約72万8,400トンです。
ハクサイの輸入先と輸入量
出典:財務省統計
日本に輸入されているハクサイはすべて中国から来ています(中国以外に統計データがありません)。輸入量は約567トンで、輸入額は約3,112万円。1キログラム当たりの単価は約55円です。
年別輸出入量
出典:財務省統計
ハクサイは海外から輸入されています。2023年の輸入量は約567トンで輸入額は約3,112万円です。輸入量は前年と比べると427トン(約306%)増加しています。