クレソン 水芥 Watercress
基礎データ DATA
クレソンの概要
クレソンは、ステーキやハンバーグなど肉料理の付け合わせによく利用されるハーブのひとつです。長さ15cm前後の茎と葉を生のまま食べたり、炒めたりして食べます。
和名は「オランダガラシ」といい、さわやかな辛味と特有の香り、そしてほろ苦さを持ちます。クレソンのピリッとした風味がこってりとした肉料理によく合うというわけです。
旬の時期は春ですが、流通しているものは水耕栽培などハウス栽培されたものが多く、周年出回っています。英名は「ウォータークレス(Watercress)」といい、野生のものは沼地や川辺など湿気のある場所に自生しています。
クレソンの歴史
クレソンはヨーロッパ中部からアジアの温帯地域にかけてが原産地とされ、14世紀以降にはフランスなどで栽培が行われていたようです。
詳しい歴史はわかりませんが、日本へは明治時代初期に伝わったとされています。しかし当時はあまり普及せず、洋食文化が一般的になるとともに徐々に広まっていったようです。
クレソンの選び方(見分け方)
葉がたくさん付いていて香りが強く、全体に張りがあるものがおすすめです。葉がしおれているものや、切り口が黒ずんだものは鮮度が落ちています。また、茎はあまり太くないほうが口当たりがよいとされます。
露地物の場合、5月中旬頃になると葉先に花の付いたものも出てきますが、花が開いたものは茎がかためです。生食するのであれば花のないものを選びましょう。
クレソンの保存方法
クレソンはあまり日持ちしないので、1~2日で食べきりましょう。軽く湿らせた新聞紙などで包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。
またコップに水を入れて差しておくとしおれにくくなります。この場合も冷蔵庫に入れ、こまめに水を替えるようにしてください。上からポリ袋をかぶせておくと乾燥防止になります。
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クレソンの食べ方
サラダ、炒め物、付け合わせ、天ぷら、スープ、和え物、お浸しなど
クレソンは生のまま食べられます。サラダや付け合わせにする場合は、やわらかな葉先をちぎって添えればOK。かたさが気にならなければ茎もそのまま食べられます。
クレソンの風味が苦手な人はソテーやてんぷらなどにするとよいでしょう。加熱すると苦味や辛味がやわらいで太めの茎も食べやすくなります。
クレソンの栄養と効能
生:カリウム(330mg)、βカロテン当量(2700mcg)、葉酸(150mcg)、ビタミンK(190 mcg)
注目成分
アリルイソチオシアネート
期待される効能
便秘予防、高血圧予防、がん予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、貧血予防、風邪予防
クレソンにはβカロテンやカリウム、葉酸などが多く含まれています。βカロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜を強くしたり免疫力を高める効果があります。
カリウムは血圧の上昇を抑えるのに役立ち、葉酸は貧血予防によいとされます。またビタミンKは血液の凝固や骨の形成をサポートします。
クレソンの辛味はアリルイソチオシアネートという物質で、抗菌作用や食欲増進効果があるといわれます。
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クレソンの種類(品種)
各地の年間収穫量 クレソン
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のクレソンの収穫量のうち最も多いのは山梨県で、約245トンの収穫量があります。2位は約32トンの収穫量がある沖縄県、3位は約17トンの収穫量がある大分県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のクレソンの栽培面積は約29ヘクタール。収穫量は約373トンで、出荷量は約362トンです。