うど 独活 Udo

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    うど(葉)

基礎データ DATA

ウドの旬(出回り時期)

※これはウドの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています

ウドの概要

山うど

うどは特有の香りとほのかな苦味、そしてシャキッとした歯触りが持ち味の野菜です。全体が白い「軟白うど」と、緑色の「山うど」の2種類があり、軟白うどは地下で栽培するなど日光を当てずに育てるため、全体が白くなります。

また山うどは、本来は野生のものを指しますが、野生種は収量が少なくてあまり流通していません。店頭で見かける「山うど」の多くは、軟化うどに日光を当てて緑化させたものです。

ちなみに「独活(うど)の大木」という慣用句は「体ばかり大きくて役に立たない」という意味で使われますが、うども実際に食用となるのは若い茎や穂先で、大きくなると食べられません。またうどは「木」でなく「多年草」。高さ2~3mに成長しますが、草なので大きくなってもやわらかいため使い道がないそうです。

ウドの歴史

うどの葉

うどの原産地は日本や中国東北部などの東北アジアで、日本でも古くから食べられていました。奈良時代の遺跡からは「独活」と書かれた木簡が複数見つかっています。また、平安時代の書物「本草和名」にも「独活」(実際には旧字体)の記載があります。ただし、これらが現在のうどであるかどうかは不明です。

現在のようなうどの栽培が行われるようになったのは江戸時代になってから。江戸時代初期の書物「清良記」(1654年頃)には「野生種を採取して利用した」という記述があり、貝原益軒の「菜譜」(1704年)では、軟白栽培に関する記述もみられます。

その後、品種改良が行われ、現在では群馬県や栃木県など関東地方を中心に栽培されています。

ウドの選び方(見分け方)

選び方

茎が太めで穂先まで張りがあり、全体にうぶ毛が密生しているものが良品です。穂先がしおれていたり、茎が変色しているものは鮮度が落ちているので避けましょう。また、山うどは茎が短めで香りが強いかどうかもチェックポイントです。

ウドの保存方法

保存する場合は新聞紙に包んで冷暗所または冷蔵庫の野菜室へ入れ、3~4日を目安に使用しましょう。時間が経つとかたくなり、苦味やアクも増えます。また、軟白うどは光に当てることでもかたくなるので注意が必要です。

ウドの食べ方

和え物、きんぴら、天ぷら、煮物、酢の物など

うどはアクがあるので皮を厚めにむいてカットし、酢水に浸けましょう(酢は変色防止のため)。生のままでも食べられますが、30秒から1分ほどさっとゆでると食べやすくなります。短冊切りや笹がきなどにして酢味噌をつけたり和え物などに。皮はきんぴらや天ぷらにすると、また違った味わいが楽しめます。

ウドの栄養と効能

生:カリウム(220mg)

期待される効能

高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防

うどには体内の余分なナトリウムを排出し、血圧の上昇を抑える働きがあるとされるカリウムが比較的多く含まれています。

うどの持つ苦味(アク)はポリフェノールの一種「クロロゲン酸」で、抗酸化作用があるといわれています。ただし、調理する際にアク抜きをするので、摂取量はあまり期待できないかもしれません。

ウドの種類(品種)

うど(軟白うど・軟化うど)

うど(軟白うど・軟化うど)

うどとして流通しているものの多くは軟白栽培されたものです。全体が白く、部分的に薄紅色がさすことがあります。山うどに比べて苦味はおだやかで、特有の香りがあります。軟白うどは栽培時に日光を遮ることで白くやわらかく育ちます。品種が明記されることはありませんが、「愛知坊主」や「伊勢白」などがあります。

山うど

山うど

野生のうど、または軟白うどを緑化したものが山うどと呼ばれています。緑化した山うどは、出荷前に光を当てることで葉先を緑色にします。軟白うどに比べて香りと風味が強く、苦味やアクも多めですが自然の味を好む人に人気です。野生のものは茎まで緑色になります。

各地の年間収穫量 うど

円グラフと下表の割合(%)が違うときは?

上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。

下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。

上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。

出典:農林水産省統計

2022年のうどの収穫量のうち最も多いのは栃木県で、約488トンの収穫量があります。2位は約373トンの収穫量がある群馬県、3位は約104トンの収穫量がある秋田県です。

栽培面積・収穫量の推移

出典:農林水産省統計

2022年のうどの栽培面積は約99ヘクタール。収穫量は約1,170トンで、出荷量は約1,070トンです。

野菜写真

ウドの写真

野菜写真

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