オクラ 秋葵 Okra

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基礎データ DATA

オクラの概要

オクラ(収穫前) 赤オクラ

特有の歯ごたえとネバネバが特徴で、夏バテ対策にもよいとされる「オクラ」。断面の星型を生かして料理のトッピングとしても目を楽しませてくれます。クセのない味なので子どもにも好まれる野菜といえるでしょう。

店頭に並んでいるオクラは角が張った五角種のものが多いですが、大型で丸いものや果皮が赤いオクラもあります。日本ではおもに鹿児島県や高知県、沖縄県など暖かい地域で作られていて、冬から春にかけてはフィリピンやタイなどからの輸入ものが店頭に並びます。

オクラの歴史

オクラの花 赤オクラの花 花オクラ

オクラの原産地はエジプトやエチオピアなどアフリカ北東部と考えられていて、エジプトでは紀元前から栽培されていました。アメリカへは18世紀に伝わり、19世紀になってから栽培が行われるようになったそうです。

日本へは幕末にアメリカから入ってきましたが、一般家庭の食卓に並ぶようになったのは1970年頃から。それまではおもに花を鑑賞するのが目的で、第二次大戦中は完熟した種子をコーヒー豆の代用にすることもあったそうです。

ちなみにオクラの和名は「アメリカネリ」といいますが、これは「アメリカ」から渡来した「ネリ(トロロアオイ)」という意味。また「オクラ」という名前は現地語からきていて、英語でも「okra」と書きます。

オクラの選び方(見分け方)

選び方

新鮮なオクラは、全体が細かいうぶ毛で覆われていて張りがあります。全体の緑色が濃く、ヘタが変色していないかも確認しましょう。育ちすぎのものはかたくて食味が劣るとされているので、大きいものよりも小さいほうがおすすめです。

オクラの保存方法

涼しい環境なら室内でも大丈夫ですが、夏場は傷みやすいので冷蔵庫の野菜室に入れましょう。ただ、オクラは乾燥と低温にも弱いので、そのまま冷蔵庫に入れてはいけません。新聞紙などで包み、ポリ袋に入れてから保存します。3~4日を目安に使い切りましょう。

長期保存したい場合は、かためにゆでて水気をしっかり拭き取り、保存袋などに入れて冷凍します。使い切る目安は1か月程度です。

オクラの食べ方

へたを鉛筆のようにむいてもよい グリーンジュエリー

和え物、炒め物、揚げ物、サラダ、酢の物、煮物、スープなど

オクラは生のままでも食べられますが、サッとゆでると口当たりがよくなります。また、調理前にうぶ毛を取っておくと舌触りがソフトになり、ゆで上がりの色もよくなります。うぶ毛の取り方は、オクラに塩を少しかけてこすり合わせるだけでOK。うぶ毛が痛い場合は、キッチンペーパーなどでこするとよいでしょう。

オクラは輪切りにすると断面が星の形になり見た目が華やかになります。細かく刻むと粘りが増してトロロのような食感になります。まるごと使う場合は、ガク(へた)の先端を少し切り落とし、鉛筆のようにとがらせて薄くむくとよいでしょう。

オクラの栄養と効能

生:カリウム(260mcg)、食物繊維総量(5.0g)

期待される効能

高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、便秘予防、消化促進、胃もたれ

オクラのぬめり成分には胃の粘膜を保護したり消化を助ける働きがあるといわれ、夏バテ予防によいとされます。また水溶性食物繊維ペクチンは整腸作用やコレステロールの吸収を抑制する働きがあるといわれています。

高血圧予防によいとされるカリウムや、エネルギーの代謝を助けるビオチンなども比較的多く含みます。ほかにβカロテンやカルシウム、葉酸なども適度に含んでいるので効率よく栄養を取ることができるでしょう。

オクラの種類(品種)

オクラ

オクラ

国内で一般的に出回っているのは、切り口が星型になる「五角種」です。果皮が濃い緑色で中に種が入っていて粘りがあり、おおむね5~8cmくらいで収穫されます。刻んで和え物にして食べるほか、まるごと炒めたり天ぷらにしても美味。店頭では品種が明記されませんが「アーリーファイブ」や「ベターファイブ」などがあります。

赤オクラ

赤オクラ

皮が赤~赤紫色のオクラで、サイズや味、粘りなどは普通のオクラとあまり変わりません。加熱すると色が緑色になってしまうので、赤い色を残したい場合は、うぶ毛を落として生のまま食べるとよいでしょう。

丸オクラ

丸オクラ

さやが角張っていない丸いオクラ。沖縄県が主産地の「島オクラ」や、八丈島で栽培されている「八丈オクラ」が有名です。どちらも口当たりがやわらかく、大きく育ってもあまりかたくならないのが特徴。粘り気が強くてほんのり甘味もあり、サラダや和え物、炒め物などいろいろな料理に使えます。赤いさやの島オクラもあります。

白オクラ

白オクラ

白みがかった淡い緑色のオクラ。生食に向いているので「サラダオクラ」ともいわれます。おもに山口県で栽培されていて、やわらかくてクセのない味わい。普通のオクラに比べて粘りが強く、成長してもかたくなりにくいのが特徴です。

ミニオクラ

ミニオクラ

長さ2〜3cmの小さいうちに早採りした小さなオクラ。やわらかいので生のままおいしく食べられます。サラダや和え物、料理のアクセントなどにおすすめです。

各地の年間収穫量 オクラ

円グラフと下表の割合(%)が違うときは?

上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。

下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。

上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。

出典:農林水産省統計

2022年のオクラの収穫量のうち最も多いのは鹿児島県で、約5,420トンの収穫量があります。2位は約1,770トンの収穫量がある高知県、3位は約985トンの収穫量がある沖縄県です。

栽培面積・収穫量の推移

出典:農林水産省統計

2022年のオクラの栽培面積は約822ヘクタール。収穫量は約1万1,100トンで、出荷量は約1万300トンです。

主要生産国(上位5か国)

出典:FAOSTAT(2021年)

オクラ生産の上位5か国は、インド、ナイジェリア、マリ、パキスタン、スーダンです。1位のインドの生産量は年間約687万3,000トンで全体の約61%を占めています。2位のナイジェリアは年間約191万1,819トンで全体の約17%、3位のマリは年間約76万4,089トンで全体の約7%です。

野菜写真

オクラの写真

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