カリフラワー 花椰菜 Cauliflower
基礎データ DATA
カリフラワーの旬(出回り時期)
※これはカリフラワーの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています
カリフラワーの概要
白いブーケのような野菜「カリフラワー」は、独特の歯ごたえがありクセのない味わいです。付け合わせやスープ、煮込み料理などさまざまな料理に使えます。最近はオレンジ色や紫色のものも出回っていて、食卓を美しく彩りたいときに活躍してくれます。
一般的なカリフラワーは白色ですが、じつはカリフラワーは日光を浴びると黄色っぽくなります。お店に並んでいるものは、外葉を内側に折り込んで白い部分(頂花蕾)を覆い、日に当たらないよう栽培されているので変色しないのです。
カリフラワーの歴史
カリフラワーの起源はキャベツや白菜などと同じ野生のケールといわれています。誕生した時期は定かではありませんが、カリフラワーはブロッコリーの突然変異と考えられています。ブロッコリーとカリフラワーは形が似ていますが、歴史的にはカリフラワーのほうが後輩ということになります。
カリフラワーは16~19世紀にヨーロッパで発達して普及し、19世紀になってからアメリカやアジアに伝わったとされます。
日本へは明治時代の初め頃に伝来しましたが、当時はあまり普及しませんでした。戦後になって食文化が変化したことで需要が増え、全国に広まりました。
カリフラワーの選び方(見分け方)
つぼみがかたくしまってこんもりとしているもの。持ったときに重みがあり、葉の緑色が鮮やかで切り口がみずみずしいものを選びましょう。
白い品種では純白のものが良品とされます。茶色や黒いシミのあるものや、つぼみが開きかけているものは鮮度が落ちているので避けたほうがよいでしょう。
カリフラワーの保存方法
ラップで包むかポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。乾燥を防ぐため軽く湿らせたキッチンペーパーを茎にまいてからポリ袋に入れてもよいでしょう。ただし日持ちはしないので2~3日中に使い切ること。ゆでてから水気を取って冷蔵保存してもOKです。
数週間ほど保存したければゆでてから冷凍も可能です。ただし、かためにゆでて、水分をしっかり切らないと、解凍したときにふにゃふにゃになり食感が悪くなります。
カリフラワーの保存方法を見る
カリフラワーの食べ方
サラダ、炒め物、煮物、スープ、和え物、オーブン料理、ピクルスなど
葉を切り落とし、房ごとに切り分けて、歯ごたえの残る程度にゆでます。ゆですぎると煮崩れを起こし、ボソボソとした食感になるので気をつけましょう。新鮮なものは生のままサラダやマリネなどにして食べられます。
ゆでるときはお湯にレモン汁か酢を入れるときれいな白に、また小麦粉を少し入れるとふっくらゆで上がるようです。カリフラワーは茎も食べられるので捨てずに使いきりましょう。
カリフラワーの栄養と効能
ゆで:ビタミンC(53mg)、カリウム(220mg)、食物繊維総量(3.2 g)
期待される効能
風邪予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、便秘予防
カリフラワーに含まれるビタミンCは加熱による損失が少ないので、風邪予防や免疫力アップに効果が期待できます。また血圧の上昇を抑制し脳梗塞や動脈硬化の予防によいとされるカリウムや、腸を掃除してぜん動運動を促す作用のある食物繊維も含まれています。カリフラワーは一度に食べる量が比較的多いので、その分栄養も多く摂れるでしょう。
紫色のカリフラワーにはアントシアニンが含まれ、オレンジ色のものにはβカロテンが含まれます。どちらも活性酸素を除去する働きがあるとされるので、生活習慣病の予防に期待ができます。
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カリフラワーの種類(品種)
カリフラワー
一般に流通しているのは白色またはクリーム色のカリフラワーです。10〜15cmくらいの大きさで、つぼみの集まりである「花蕾」がぎっしりとつまっています。旬は秋から春にかけての寒い時期。店頭で明記されることはありませんが、「スノークラウン」や「寒月」などの品種があります。
オレンジカリフラワー
花蕾が濃い黄色~淡いオレンジ色の品種。ほんのりと甘味があり、ゆでると色鮮やかになるので、サラダなどにすると彩りが豊かになります。品種には「オレンジブーケ」や「オレンジ美星」などがあり、食感は普通の白いカリフラワーとほとんど変わりません。
紫カリフラワー
花蕾が紫色のカリフラワー。「パープルフラワー」や「バイオレットクイン」といった品種があり、品種によって特性が異なります。バイオレットクインはゆでると紫色が抜けて緑色になりますが、パープルフラワーは紫色がそのまま残ります。また、パープルフラワーは食感が普通のカリフラワーとほぼ同じですが、バイオレットクインはブロッコリーに似た食感です。
ロマネスコ
イタリア原産の品種といわれ、円錐の花蕾が規則正しく並び独特な形をしています。花蕾は黄緑色で「サンゴ礁」や「うずまき」「カリッコリー」「カリブロ」「やりがい君」などの名前で呼ばれることも。普通のカリフラワーのようにゆでて、サラダやパスタなどに調理します。甘味があって歯ごたえもよく、少しブロッコリーに似た味や食感があります。最近になって店頭でよく見かけるようになりましたが、16世紀頃に生まれたといわれる古い品種です。
各地の年間収穫量 カリフラワー
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のカリフラワーの収穫量のうち最も多いのは茨城県で、約2,660トンの収穫量があります。2位は約2,560トンの収穫量がある熊本県、3位は約2,340トンの収穫量がある愛知県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のカリフラワーの栽培面積は約1,250ヘクタール。収穫量は約2万2,200トンで、出荷量は約1万9,200トンです。
主要生産国(上位5か国)
出典:FAOSTAT(2021年)
ブロッコリー&カリフラワー生産の上位5か国は、中国、インド、アメリカ、メキシコ、スペインです。1位の中国の生産量は年間約958万7,297トンで全体の約37%を占めています。2位のインドは年間約956万6,000トンで全体の約37%、3位のアメリカは年間約92万6,826トンで全体の約4%です。
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