チコリー アンディーブ 菊苦菜 Chicory
基礎データ DATA
- 分類:キク科キクニガナ属
- 原産地:地中海沿岸、中央アジア
- 季節の分類:冬
- 多く出回る時期:1月~3月頃
チコリーの概要
白菜を小さくして先をとがらせたような姿をしているチコリーは、最近よく見かけるようになったキク科の野菜です。ほのかな苦味とサクッとした歯触りが特徴で、ヨーロッパでは身近な食材として親しまれています。葉を1枚ずつちぎってサラダやオードブル、グラタンなどにして食べます。
アメリカやベルギーなどから輸入しているほか、最近では国内でも生産量が増えています。栽培方法は日に当てない軟白栽培が主流。日本では英名の「チコリー(Chicory)」で流通していることが多いですが、フランス名は「アンディーブ(Endive)」といい、この名称で店頭に並んでいることもあります。
ちなみにEndiveを英語読みすると「エンダイブ」となります。日本でエンダイブといえばリーフレタスのような葉野菜を指しますが、アメリカではこのリーフレタス状のものを「Chicory(チコリ)」を呼ぶことがあり、少しややこしい面があります。
チコリーの根を乾燥させて焙煎したものは「チコリーコーヒー」として商品化されています。「ハーブコーヒー」ともいわれノンカフェインで健康によい効果があるとされ、ヨーロッパでは古くから飲まれているそうです。
またチコリーには赤い葉のものもありますが、こちらはチコリーと同じキク科キクニガナ属の「トレビス」に分類されることもあります。
なお、エンダイブもチコリの仲間とされますが、形がリーフレタスに似ているので当サイトでは「レタスのページ」で紹介しています。
チコリーの歴史
チコリーはヨーロッパの地中海沿岸から中央アジアにかけてが原産とされています。古代ローマ時代にはすでに食べられていたといわれ、13世紀頃には栽培が普及していたようです。現在のような軟白栽培は19世紀にベルギーで行われたのが始まりです。
日本には江戸時代末期に伝わったとされます。しかし独特の風味が好まれず広まりませんでした。最近はイタリア料理やフランス料理などでよく使われることから、百貨店や高級志向のスーパーなどで販売されています。
チコリーの保存方法
チコリーはあまり日持ちしません。ラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存し、なるべく早めに食べきりましょう。
チコリーの食べ方
サラダ、前菜、煮込み、グラタン、炒め物、天ぷら、スープなど
チコリーは生のまま食べることができます。レタスなどと混ぜてサラダにしたり、葉を1枚ずつ器のようにしてハムやトマト、チーズ、ゆで卵、アボカド、ディップなどをのせて前菜にするのもおすすめ。トマトやアボカドを加えるだけで彩りが華やかになります。
チコリーの苦味は加熱すると少しやわらぎます。グラタンや煮込み料理、天ぷらなどに利用してもよいでしょう。
チコリーの栄養と効能
生:カリウム(170mg)
注目成分
チコリ酸
期待される効能
高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防
チコリには生活習慣病の予防によいとされるカリウムが含まれています。またチコリの苦味成分のチコリ酸はポリフェノールの一種で、活性酸素を除去する作用があるといわれています。
栄養成分表を見る
チコリーの種類(品種)
チコリー
葉先が淡い黄色で根元が白く、サイズは10〜15cmくらいの西洋野菜。シャキシャキとした歯ごたえでみずみずしく、ほのかな甘味と特有のほろ苦さがあります。生のままサラダにするほか、オーブン料理や炒め物などにも利用できます。
赤チコリー(レッドチコリー)
「レッドアンディーブ」とも呼ばれ、葉先が赤紫色をしているタイプ。少し苦味がありますが、鮮やかな色なのでサラダに入れると彩りが映えます。「トレビーゾ・タルディーボ」や「トレビーゾ・プレコーチェ」などは、チコリーの仲間の「トレビス」に分類されることもあります。
プンタレッラ
チコリーの仲間で「アスパラガスチコリー」とも呼ばれるイタリア野菜。一見、白菜と水菜を足したような姿で、葉先は緑色で根元が白く、内側には太めの若い花茎が株状になっています。花茎は空洞になっていてシャキシャキとした食感。ほろ苦さがあり、ゆでるとほのかにアスパラガスのような風味になります。サラダやスープ、炒め物などにおすすめ。近年、宮城県などで栽培が行われています。
チコリーの輸入先と輸入量
出典:財務省統計
チコリーは6か国から輸入されています。輸入先トップはアメリカで輸入量は約520トン、全体の20%以上を占めています。2位はメキシコの約95.4トンで全体の約4%程度です。3位はオランダの約65.8トン。4位は約62.3トンのベルギーと続きます。
年別輸出入量
出典:財務省統計
チコリーは海外から輸入されています。2023年の輸入量は約745トンで輸入額は約4億4,875万円です。輸入量は前年と比べると263トン(約54%)増加しています。