おかひじき 陸鹿尾菜 Saltwort
基礎データ DATA
- 分類:ヒユ科オカヒジキ属
- 原産地:日本、中国、ヨーロッパ南西部
- 季節の分類:夏
- 多く出回る時期:4月~10月頃
オカヒジキの概要


おかひじきはヒユ科の一年草で、近年需要が高まっている食材の1つです。淡泊な味でシャキシャキとした食感を持ちます。
名前に「ひじき」と入っていますが、海藻ではなく野草の仲間。葉が細長く多肉質でワサワサとしていて、見た目がひじきに似ていることからこの名が付けられました。漢字では「陸鹿尾菜」と書き、「陸の海藻」とも呼ばれ、別名「水松菜(ミルナ)」ともいいます。
おかひじきは海辺などの砂地に自生していますが、市場に流通しているものはハウスなどで栽培されているものです。山形県で長野県や静岡県、千葉県など広い地域で栽培されています。
オカヒジキの歴史

おかひじきは日本や中国、シベリア、ヨーロッパ南西部などに分布し、日本では海辺の砂地に野生のものが自生していました。しかし古くから自生していたにもかかわらず、室町時代前期以前の文献には記述が見あたりません。
栽培がいつ頃から始まったのかは不明ですが、江戸時代初期には行われていたようです。山形県庄内地方について書かれた文献「松竹往来」(1672年)の中で、北俣の「岡ミル」が物産品として紹介されています。これだけでは栽培されていたかどうかはわかりませんが、「日本の野菜文化史事典」(2013年)によると、「海岸から離れた山間の北俣におかひじきが自生していたとは思えないので、栽培されていたのではないか」と解釈されています。
江戸時代の主要な文献で詳しく紹介しているのは「本草図譜」(1828年)です。これにはおかひじきが絵付きで紹介されていて、海辺の砂地で育つ植物ということが記されています。
かつて認知度はそれほど高くなかったおかひじきですが、最近では栄養価の高い食材として認識され、スーパーなどでもよく見かけるようになりました。
オカヒジキの選び方(見分け方)

葉や茎にツヤがありピンと張っているもの。また全体がきれいな緑色でみずみずしさとやわらかさを感じるものがよいでしょう。育ちすぎのものは葉がかたくなっていることがあります。また葉が変色していたり、根元が黄色っぽくなっているものは鮮度が低下していることがあります。
オカヒジキの保存方法
乾燥すると食感が悪くなるので、ポリ袋や保存用袋に入れるなどして冷蔵庫の野菜室へ。あまり日持ちしないのでなるべく早く食べるようにしましょう。
オカヒジキの食べ方
お浸し、和え物、炒め物、揚げ物、サラダ、汁の実など
おかひじきは少しアクがあるので、水でよく洗って1~2分ほどさっとゆでてから調理してもよいでしょう。お浸しや炒め物、サラダ、味噌汁などいろいろな料理に使えます。加熱しすぎるとシャキシャキ感が損なわれるので要注意です。
根元がかたい場合は、あらかじめ切り落としておくと食感がよくなります。炒め物や天ぷらなどの場合はそのまま使用して大丈夫です。
オカヒジキの栄養と効能
ゆで:カリウム(510mg)、βカロテン当量(3200mcg)、葉酸(85mcg) カルシウム(150mg)ビタミンK(360mcg)
期待される効能
高血圧予防、がん予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、貧血予防、風邪予防、骨粗鬆症
おかひじきはβカロテンを豊富に含んでいます。βカロテンには免疫力アップや抗酸化作用があるので、アンチエイジングやがん予防などに期待できます。また貧血予防によいとされる葉酸や高血圧予防に効果があるカリウムも多く含みます。骨や歯の形成をサポートするカルシウムやビタミンKが多いのもポイントです。
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