ルバーブ Rhubarb
基礎データ DATA
- 分類:タデ科カラダイオウ属
- 原産地:シベリア南部
- 季節の分類:夏
- 多く出回る時期:5月~9月頃
ルバーブの概要
ルバーブは、特有の香りと酸味を持つタデ科の野菜です。見た目はフキのようですが、加熱すると短時間で溶けてしまうため、一般的な料理にはあまり使われず、おもにジャムやお菓子作りなどに使われます。
食用にするのは30~40cmほどの葉柄(軸)の部分のみ。実際はフキのように大きな葉がついていますが、ルバーブの葉には毒性があるため食べられません。そのため店頭では軸の部分だけで売られています。ちなみにフキはキク科で、ルバーブはタデ科なので両者は仲間ではありません。
北海道や長野県など涼しい地域で栽培されているほか、オランダなどからも輸入されています。国内産のものは5月から9月頃が収穫時期で、初夏のものは酸味が強く、秋になると酸味がやわらいできます。
ルバーブの歴史
ルバーブはシベリア南部が原産地とされ、ヨーロッパでは古くから栽培されていたようです。日本へは明治時代に導入されましたが定着はしませんでした。近年は国内でも栽培が行われ、徐々に認知度が高まってきています。
ちなみにルバーブの近縁種に当たる薬草「大黄(だいおう)」は、古くから日本にありました。藤原宮で発見された木簡には「高井郡大黄十五斤」とあり、「本草和名」には「和名 於保之(おほし)」と記されています。
大黄は消化促進の作用がある漢方薬として利用されていて、ルバーブは近縁種ということから「食用大黄(しょくようだいおう)」という別名もあります。
ルバーブの選び方(見分け方)
全体に張りとみずみずしさを感じるものがよいでしょう。しおれていたり変色しているものは避けたほうが無難です。
なお、ルバーブは濃い紅色や緑色、赤と緑のグラデーションといった色のバリエーションがありますが、味に大きな違いはありません。赤いほうが見栄えがしますが、緑色のほうが香りがよく風味がまろやかだと感じる人もいます。
ただ、ジャムにする場合は、葉柄の色の通りに仕上がるので、赤いジャムを作るなら赤色のものを選びましょう。緑のものは緑色になり、グラデーションのものを使うと茶色っぽく仕上がります。
ルバーブの保存方法
ラップに包んで冷蔵庫の野菜室へ。ルバーブはあまり日持ちしないので、できれば購入したその日に調理するのがベストです。
ルバーブの食べ方
ジャム、ケーキ、パイ、タルト、ソース、サラダなど
ルバーブは砂糖を加えて煮込み、ジャムやパイなどに利用するのが一般的です。アクがあるのでカットしたら水に浸けてアク抜きをしましょう。
ジャムを作るときは、2cmほどの長さにカットし、砂糖をまぶして30分ほどおきます。その際、皮はむかなくても大丈夫です。しばらくすると水分が出てくるので、あとはとろみが出るまで弱火で煮込みます。好みに応じてレモン汁を加えてもよいでしょう。
さっぱり食べたい場合は、生のままスライスしてサラダに。この場合は皮をむいてからアク抜きをしましょう。また酸味と色を活かして肉料理のソースにしてもOKです。
なお、もしも葉付きの状態で入手した場合、葉には毒性があるため食べないでください。
ルバーブの栄養と効能
ゆで:カリウム(200mg)
注目成分
期待される効能
高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防
ルバーブにはカリウムが比較的多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を促す作用があり、高血圧など生活習慣病の予防によいとされます。
栄養成分表を見る
ルバーブの種類(品種)
ルバーブ
フキのような形をしていて、細長い葉柄を食用とします。加熱するとやわらかくなりトロトロに溶けるのが特徴。色は「赤色系」と「緑色系」があります。どちらも酸味と特有の香りを持ち、砂糖を加えて煮込んでジャムに加工されることが多い野菜です。