そらまめ 空豆 Broad bean
基礎データ DATA
ソラマメの旬(出回り時期)
※これはソラマメの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています
ソラマメの概要
そらまめは、さやが空を仰ぐように上に伸びることからこの名が付いたといわれます。大きめのさやの中には豆が2~4個入っていて、その豆が未熟なうちに食べるものが青果店に並びます。豆が完熟したものは種実用として乾燥させ、おたふく豆や煮豆などに加工されます。ここでは、青果用としてのそらまめについて紹介していきます。
そらまめの出荷は4~5月頃が最盛期で、地方によっては「四月豆」や「五月豆」「雪割豆」などの呼び名もあるそうです。またさやの内側が蚕のまゆに似ていることから漢字で「蚕豆」と書くことがあります。
ソラマメの歴史
そらまめの原産地ははっきりしていませんが、西アジアから地中海沿岸、北アフリカにかけてではないかと考えられています。エジプトやトロイの遺跡からもそらまめの化石が見つかっていることから、かなり歴史の古い野菜(豆類)といえます。エジプトでは4000年も前から栽培されていたそうです。
その後、東へ移動し、2000年ほど前に中国に伝播。日本へは8世紀に渡来したと考えられています。日本で一般的に栽培されるようになったのは17世紀頃のこと。明治時代になると品種が増加し、徐々に消費が増えていきました。
ソラマメの選び方(見分け方)
さやがきれいな緑色で均一にふくらみ、わたのような弾力のあるものが良いそらまめです。また、新鮮なものはうっすらとうぶ毛がついています。さやが黒ずんでいるものや張りのないものは避けたほうがよいでしょう。また、さやから豆を出すと風味が落ちていくので、購入するときはさやつきのほうがおすすめです。
豆の爪の黒い部分を「お歯黒」と呼びますが、これは熟度の目安にもなっています。旬の出始めは色が薄めですが、時期が終わりに近づくと黒いのものが多くなります。
ソラマメの保存方法
乾燥に弱いためポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。ただし収穫後3日ほどで味が落ちるため、購入したら早めに調理しましょう。生のまま、またはかためにゆでて冷凍すれば長期保存も可能です。
ソラマメの保存方法を見る
ソラマメの食べ方
塩ゆで、サラダ、揚げ物、炒め物、煮物、スープなど
そらまめは調理する直前に豆を取り出します。お歯黒部分に包丁で切り込みを入れ、たっぷりのお湯に塩と酒を入れて1分半~2分半ほどゆでます。ゆですぎると食味が落ちるので要注意。酒を入れることで特有の香りがやわらぎます。
ゆであがったらざるに取り、うちわなどであおいで自然に冷まします(冷水につけると水っぽくなるため)。食べるときは、お歯黒部分から皮をむいて食べます。なお、お歯黒が気になるようなら、ゆでる前に包丁をV字に入れて取り除いておくとよいでしょう。
ソラマメの栄養と効能
ゆで:カリウム(390mg)、食物繊維総量(4g)、葉酸(120mcg)、鉄(2.1mg)
注目成分
レシチン
期待される効能
高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、便秘予防、貧血予防
そらまめは整腸作用のある不溶性食物繊維が豊富で、高血圧予防によいとされるカリウムや、貧血予防に効果があるといわれる葉酸、鉄なども含まれています。
また、そらまめに含まれる「レシチン」という成分は、血液中のコレステロールを減らしたり、脳の活性化に働きかける性質があるといわれています。
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ソラマメの種類(品種)
各地の年間収穫量 そらまめ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のそらまめの収穫量のうち最も多いのは鹿児島県で、約3,230トンの収穫量があります。2位は約2,210トンの収穫量がある千葉県、3位は約1,230トンの収穫量がある茨城県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のそらまめの栽培面積は約1,580ヘクタール。収穫量は約1万3,200トンで、出荷量は約9,470トンです。