パセリ Parsley
基礎データ DATA
パセリの旬(出回り時期)
※これはパセリの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています
パセリの概要
ふわっとした形で鮮やかな緑色のパセリは、料理を彩る付け合わせとして使われることが多い野菜です。丸みのある「縮葉種」のものが一般的ですが、最近は縮みのない「イタリアンパセリ」も人気です。
パセリは飾りとしてのイメージが強いですが、栄養分も多く含まれているので、なるべく残さないようにしたいですね。
パセリの歴史
パセリの原産地はヨーロッパ中南部から北アフリカにかけての地中海沿岸といわれています。古代エジプトや古代ギリシャではすでに食用とされ、薬用や歯磨き用としても使われていたそうです。
9世紀頃にフランスへ伝わり、その後16世紀までにはイギリスやドイツなどにも浸透。さらにヨーロッパからの移民によってアメリカにも広まりました。
日本には18世紀初めにオランダからもたらされ、貝原益軒の「大和本草」(1709年)では、「芹」の項目で「紅毛芹(オランダセリ) 根は羊の蹄に似ていて黄色い」と記されています。パセリの栽培が本格的に行われるようになったのは明治から大正時代にかけてだそうです。
パセリの選び方(見分け方)
葉がきれいな緑色で光沢があり、切り口がみずみずしいもの。また葉が密集していてふわふわとやわらかく、縮れの細かいものを選びましょう。葉が黄色っぽく変色していたり、乾燥しているものは鮮度が落ちていて、苦味が強く食感もかためです。
パセリの保存方法
丸ごと冷凍したものを手でもめば、簡単にみじん切りができます。これを冷凍しておくと必要なときにすぐに使えて便利。また、みじん切りにしたパセリを電子レンジに3~5分ほどかけて乾燥させても長期保存が可能です。
パセリの食べ方
スープ、サラダ、パスタ、付け合わせなど
料理に添えるだけでなく、みじん切りにしたものをスープやサラダにのせたり、パスタにからめるといった使い方も人気。香りと彩りがアップします。
パセリの栄養と効能
生:カリウム(1000mg)、βカロテン当量(7400mcg)、ビタミンC(120mg)、カルシウム(290mg)、鉄(7.5mg) 、食物繊維総量(6.8g)、葉酸(220mcg)、ビタミンK(850mcg)
期待される効能
高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、がん予防、老化抑制、風邪予防、便秘予防、冷え症
パセリは栄養が豊富で、抗酸化作用のあるβカロテンや造血作用のある葉酸や鉄、免疫を高めるビタミンCなどさまざまな成分が豊富に含まれています。
また高血圧予防によいとされるカリウムや、便秘改善に効果がある食物繊維、骨を丈夫にするカルシウムやビタミンKなども多めです。
ただし、パセリは一度に量を食べないので、効果はあまり期待はできません。
栄養成分表を見る
パセリの種類(品種)
パセリ
細かい縮れがあって丸くカールしたパセリ。日本でパセリといえば一般的にこのタイプを指し「縮葉種」や「カーリーパセリ」などとも呼ばれます。品種は店頭では明記されませんが、現在国内で栽培されているパセリは「中里」という品種の系統で「瀬戸パラマウント」や「USパラマウント」「グランド」などがあります。
イタリアンパセリ
葉が縮れていない「平葉種」のパセリで、三つ葉のような形をしています。香りがさわやかで苦味は少なめ。みじん切りしてスープやソース、ドレッシングなどに入れるほか、サラダに混ぜたり、パスタに使うなどいろいろな料理に活用できます。もちろん、そのままちぎって料理に添えてもOKです。
各地の年間収穫量 パセリ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のパセリの収穫量のうち最も多いのは千葉県で、約693トンの収穫量があります。2位は約335トンの収穫量がある長野県、3位は約215トンの収穫量がある静岡県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のパセリの栽培面積は約123ヘクタール。収穫量は約2,070トンで、出荷量は約2,060トンです。
パセリの輸入先と輸入量
出典:財務省統計
パセリは4か国から輸入されています。輸入先トップは中国で輸入量は約76.6トン、全体の80%以上を占めています。2位はメキシコの約5.9トンで全体の約7%程度です。3位はアメリカの約5.4トン。4位は約1.3トンのオーストラリアと続きます。
年別輸出入量
出典:財務省統計