みょうが 茗荷 Myoga

  • みょうが

    みょうが

  • みょうがたけ

    みょうがたけ

  • みょうが

    みょうが

  • みょうがたけ

    みょうがたけ

  • みょうがたけ

    みょうがたけ

基礎データ DATA

ミョウガの概要

赤紫色のきれいな色合いをしたみょうがは、特有の香りとほのかな苦味、そしてシャキシャキ感を持つ香味野菜です。「花みょうが」とも呼ばれ、土の中の茎から顔を出した蕾(開花前の若い花序)を食用とします。

みょうがの若い茎を軟白栽培したものは「みょうがたけ」として流通しています。出回り時期は5月~7月頃で、やわらかくて香りがよく、こちらも香味野菜として利用します。

ちなみに、東京に「茗荷谷(みょうがだに)」という地名がありますが、この名前はかつてこの地がみょうがの名産地だったことが由来です。

ミョウガの歴史

みょうがは中国や日本などアジア東部が原産地と考えられています。「魏志倭人伝」(3世紀頃)にはみょうがを意味する「襄荷(※)」の文字があり、日本に存在することが記されています。

ただ、魏志倭人伝の中では「日本人はみょうがを(滋味なのに)食べない」という意味のことも書かれているので、当時の日本人はあまり食べていなかったようです。しかしその後は逆に中国人があまり食べなくなりました。

7世紀頃の長屋王邸跡から発掘された木簡には、みょうがの醤漬けと推測される「醤津名我」や、平安時代の「延喜式」には「襄荷漬(※)」などの記載があり、日本人がみょうがを食べていたことがうかがえます。

みょうがは現在でも日本全国で栽培されていますが、食用としているのは日本のほかは台湾と韓国の一部だけだそうです。

※実際の「襄」の漢字にはくさかんむりが付いていますが、文字化けを防止するため違う文字を当てています

ミョウガの選び方(見分け方)

選び方

ふっくらとふくらみがあって身が締まり、紅色が鮮やかでツヤがあるものを選びましょう。先端から花が出たものや咲きかけのものは、繊維がかためで食感が落ちます。

また、触ったときにふかふかするものは花が咲いて落ちたもので、食味はよくありません。変色していたり、半透明になっているものは収穫してから時間がたったものなので避けましょう。

みょうがたけも全体に張りとツヤがあり、変色がないもの。地方の直売所などでは色が白~赤紫色ではなく、緑がかったものもあります。

ミョウガの保存方法

乾燥するとせっかくの香りが減ってしまうので、湿らせたキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ入れます。3~4日を目安に使い切りましょう。

長期保存したい場合は冷凍も可能です。水洗いして水気をよくふき、丸のまままたは刻んだものを保存用袋などに入れて冷凍します。薬味として使うときは自然解凍で、味噌汁に入れるなら冷凍のままでも大丈夫です。

ミョウガの食べ方

薬味、汁の実、和え物、酢の物、揚げ物など

みょうがはアクがあるので、水にさらしてから使いましょう。千切りにして刺身のつまにしたり、細かく刻んで麺類などの薬味として利用するほか、甘酢漬けや天ぷらにしてもおいしく食べられます。

みょうがたけもみょうがのように薬味として使ったり、刻んでかつお節やちりめんじゃこと混ぜてしょうゆで食べるなど、いろいろな食べ方ができます。

ミョウガの栄養と効能

生:カリウム(210mg)

注目成分

αピネン、アントシアニン

期待される効能

高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、食欲増進、冷え症

みょうがの香りはおもに「αピネン」という成分によるものです。αピネンは血行をよくして体を温めるほか、食欲増進や消化促進などの効果があるといわれています。

また、みょうがの赤紫色はアントシアニンによるもの。アントシアニンには目の健康維持をサポートし、活性酸素を除去する働きがあるとされます。血圧の上昇を抑える効果があるとされるカリウムも比較的多めです。

ミョウガの種類(品種)

みょうが

みょうが

「花みょうが」がともいい、花が咲く前の蕾(花序)を食用とします。紅色〜赤紫色で特有の香りがあり、シャキシャキとした歯触りが特徴。6〜8月に収穫されるものは「夏みょうが」、8〜10月のものは「秋みょうが」とも呼ばれ、秋みょうがのほうが大きめです。刻んで薬味や刺身のつまにしたり味噌汁に入れるなど、料理のアクセントとして活躍します。代表的な品種は「諏訪3号」や「陣田早生」など。

みょうがたけ

みょうがたけ

みょうがの若い茎(偽茎)を食用としたもので「茗荷竹」とも表記されます。20~30cmほどの棒状で、日が当たらないよう軟白栽培し、成長後に軽く日を当てることで白と薄紅色のきれいなグラデーションになります(地域によっては緑色のものもあります)。香りがよく、普通のみょうがと同様に薬味や和え物、味噌汁などに最適。3月から7月頃がシーズンです。

各地の年間収穫量 みょうが

円グラフと下表の割合(%)が違うときは?

上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。

下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。

上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。

出典:農林水産省統計

2020年のみょうがの収穫量のうち最も多いのは高知県で、約5,080トンの収穫量があります。2位は約101トンの収穫量がある奈良県、3位は約75トンの収穫量がある秋田県です。

栽培面積・収穫量の推移

出典:農林水産省統計

2020年のみょうがの栽培面積は約214ヘクタール。収穫量は約5,440トンで、出荷量は約5,250トンです。

野菜写真

ミョウガの写真

野菜写真

ミョウガの写真はこちらのページでも見られます。現在ミョウガの写真を31枚掲載中です