ブロッコリー 芽花椰菜 Broccoli

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基礎データ DATA

ブロッコリーの旬(出回り時期)

※これはブロッコリーの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています

ブロッコリーの概要

ブロッコリー(収穫前)

ブロッコリーは調理しやすく栄養が豊富で、クセがなくて食べやすい野菜です。30年ほど前に普及したばかりの野菜ですが、今ではすっかり定着しました。

ブロッコリーには小さな緑色のつぶつぶがたくさんついていますが、これは1つひとつが花のつぼみです。そして、それらが集まったものを「花蕾(からい)」いい、その花蕾の部分と花茎の部分をブロッコリーとして食べています。そのためブロッコリーを収穫せずに放っておくと、黄色い花がたくさん咲きます。

ブロッコリーの歴史

ブロッコリーの畑

ブロッコリーはキャベツの仲間で、原産地はキャベツと同じ地中海沿岸です。キャベツの原種が交雑を繰り返すことでブロッコリーへと発達したと考えられています。古代ローマではすでに食用されていましたが、栽培が盛んになったのは15~16世紀頃。イタリアからヨーロッパに普及したのは17世紀頃といわれます。

日本に渡来したのは明治時代ですが当時はあまり普及せず、第二次大戦後になって栽培が本格化しました。急速に普及したのは1980年代になってからです。

ブロッコリーの選び方(見分け方)

選び方

鮮やかで緑色が濃く、小さいつぼみが隙間なくぎっしり詰まり、丸くかたく盛り上がったものを選びましょう。つぼみが黄色くなっているものは鮮度が落ちていて味も風味も悪くなっています。また、切り口がみずみずしくて変色しておらず、茎にス(空洞)が入っていないものが良品です。

ブロッコリーの保存方法

ブロッコリーは常温で置いておくとつぼみが黄色くなってしまうので、ポリ袋に入れて冷蔵保存するのが基本です。

日持ちさせたい場合は、冷蔵室またはチルド室で保存しましょう。ブロッコリーはより低温で保存したほうが長持ちするので、スペースがあればチルド室がおすすめです。1~2日以内に使用するのであれば野菜室でもかまいません。

保存期間はチルド室なら5~7日、冷蔵室なら3~4日くらいが目安。実際には鮮度の状態によって日持ちが違ってきますが、おいしく食べるならできるだけ早く消費するのがおすすめです。

食感が少し悪くなりますが、かたゆでしたものを冷凍しておいて、後日シチューなどに使用するという方法もあります。この場合、水気をよく切ってから冷凍しましょう。

ブロッコリーの食べ方

シチュー、サラダ、炒め物、煮物など

ブロッコリーはゆで時間が長いとやわらかくなりすぎて歯ごたえがなくなってしまいます。塩を少し入れて3分くらいゆで、串がすっと通ればOKです。ゆであがったらざるに入れてそのまま冷ますのがポイント。冷水につけると蕾の隙間に水が入って水っぽくなってしまうからです。

ブロッコリーは茎の部分にも栄養があるので残さずに食べましょう。

ブロッコリーの栄養と効能

ゆで:ビタミンC(54mg)、ビタミンK(150mcg)、葉酸(120mcg)、βカロテン当量(770mcg)

注目成分

スルフォラファン

期待される効能

風邪予防、貧血予防、がん予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防

ブロッコリーには美容や風邪予防によいとされるビタミンCや、抗酸化作用のあるβカロテンが豊富に含まれています。

またビタミンKや葉酸も多く含まれています。ビタミンKは出血時の血液の凝固させる働きや、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きがあります。葉酸は貧血予防や妊娠を計画している女性に有効とされています。

フィトケミカルの一種である「スルフォラファン」は、がんの抑制効果が高いといわれているので、がん予防に効果が期待できます。

ブロッコリーの種類(品種)

ブロッコリー

ブロッコリー

太い茎に10〜12本くらいの花茎と花蕾(からい)があり、それらが丸く密集しています。甘味があって歯ごたえがよく、サラダやシチュー、スープ、グラタン、炒め物などいろいろな料理に合います。冬場になると少し紫がかったもの見かけることがありますが、これは寒さによってアントシアニンが発生したためで味に影響はありません。ちなみにブロッコリーは茎の中央にできた「頂花蕾(ちょうからい)」の部分を収穫したものです。品種には「ピクセル」や「ハイツ」などがあります。

茎ブロッコリー

茎ブロッコリー

茎ブロッコリーは頂花蕾を収穫したあとに出てくる「側花蕾(そくからい)」を収穫したもので、細長い形をしています。長さが15〜20cmほどになり、茎がやわらかくてアスパラガスのような甘味があります。茎ブロッコリーの専用品種としては、ブロッコリーと中国野菜の「カイラン」から生まれた「スティックセニョール」が有名。そのほかに「アスリー」や「グリーンボイス」といった品種もあります。

各地の年間収穫量 ブロッコリー

円グラフと下表の割合(%)が違うときは?

上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。

下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。

上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。

出典:農林水産省統計

2022年のブロッコリーの収穫量のうち最も多いのは北海道で、約2万7,600トンの収穫量があります。2位は約1万5,500トンの収穫量がある埼玉県、3位は約1万5,100トンの収穫量がある愛知県です。

栽培面積・収穫量の推移

出典:農林水産省統計

2022年のブロッコリーの栽培面積は約1万7,200ヘクタール。収穫量は約17万2,900トンで、出荷量は約15万7,100トンです。

ブロッコリーの輸入先と輸入量

出典:財務省統計

ブロッコリーは5か国から輸入されています。輸入先トップは中国で輸入量は約1,034トン、全体の50%近くを占めています。2位はアメリカの約933トンで全体の40%以上を占めています。3位はメキシコの約144トン。4位は約16.9トンのエクアドルと続きます。

年別輸出入量

出典:財務省統計

ブロッコリーは海外から輸入されています。2022年の輸入量は約2,129トンで輸入額は約6億3,057万円です。輸入量は前年と比べると3,670トン(約63%)減少しています。

主要生産国(上位5か国)

出典:FAOSTAT(2021年)

ブロッコリー&カリフラワー生産の上位5か国は、中国、インド、アメリカ、メキシコ、スペインです。1位の中国の生産量は年間約958万7,297トンで全体の約37%を占めています。2位のインドは年間約956万6,000トンで全体の約37%、3位のアメリカは年間約92万6,826トンで全体の約4%です。

野菜写真

ブロッコリーの写真

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