モロヘイヤ Mulukhiyah
基礎データ DATA
モロヘイヤの概要
モロヘイヤは葉を刻むと粘りが出るのが特徴で、栄養価がとても高い野菜です。基本的にやわらかい葉を食用にし、お浸しにしたり、葉を刻んで納豆と混ぜたりと簡単な調理で食べられます。
アラビア語で「王家のもの」という意味を持ちますが、それは古代エジプトの王様が病気になった際、モロヘイヤのスープを飲むと回復したことが由来だそうです。
旬は6~9月の暑い時期です。なお、モロヘイヤの実(さやと種)には毒性があるので食べられません。
モロヘイヤの歴史
モロヘイヤはアフリカ北部からインド西部が原産地と考えられています。その歴史は古く、古代エジプトではすでに食用とされていたそうです。また王様の病気を治したといわれることから、当時から栄養価の高い野菜として注目されていたことがうかがえます。
日本で栽培が行われるようになったのは1980年代で、栄養が豊富なことから人気が高まり全国に普及しました。モロヘイヤの普及に大きく貢献した飯森嘉助氏のホームページ「モロヘイヤ事始」では、モロヘイヤに関する情報や普及活動について詳細に綴られています。
なお、フィリピンで栽培されている「サルヨット(トロロ菜)」も同属の野菜です。
モロヘイヤの選び方(見分け方)
茎は手で折れるくらいやわらかく、葉は葉先がピンとしていて張りがあり、全体的にみずみずしくて緑色が鮮やかなものが良品です。
変色しているものやしなびているものは鮮度が落ちているので避けてください。また、茎がかたいものは加熱してもやわらかくならず、食味が悪いので食べないほうがよいでしょう。
モロヘイヤの保存方法
湿らせたキッチンペーパーを茎に巻いてポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。日持ちしないので1~2日以内に使いきりましょう。モロヘイヤは鮮度が落ちると葉がかたくなり食味が悪くなります。
長期保存の場合は、サッとゆでて水気をよく切りラップに包むか保存用袋に入れて冷凍します。みじん切りにしたものを小分けして冷凍しておくと、必要なときにすぐに使えて便利です。
モロヘイヤの食べ方
お浸し、スープ、和え物、炒め物、天ぷら
モロヘイヤはアクであるシュウ酸を含んでいるため、一度ゆでて冷水に取ってから調理したほうがよいでしょう。茎もやわらかければ食べることができます。
葉を刻むとヌメリが出るので、納豆やヤマノイモなどと混ぜて食べたり、スープに入れるとモロヘイヤの粘りが楽しめます。またお浸しや天ぷら、炒め物などにしてもおいしく食べられます。
モロヘイヤの栄養と効能
ゆで:βカロテン当量(6600mcg)、ビタミンK(450 mcg)、食物繊維総量(3.5g)、カルシウム(170mg)、カリウム(160mg)
期待される効能
風邪予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、便秘予防、がん予防、骨粗鬆症
モロヘイヤは栄養豊富な野菜です。とくにβカロテンを多く含み、抗酸化作用により風邪やがんの予防、アンチエイジング、視力の保持などに効果が期待できます。
また腸のぜん動運動を促す不溶性食物繊維や、骨の形成に欠かせないカルシウムやビタミンKも多く、高血圧予防によいとされるカリウムも比較的多めです。
モロヘイヤは葉を刻むとぬめりがでますが、このぬめり成分には胃や消化器の粘膜を保護する働きがあるといわれています。
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モロヘイヤの種類(品種)
各地の年間収穫量 モロヘイヤ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のモロヘイヤの収穫量のうち最も多いのは群馬県で、約220トンの収穫量があります。2位は約175トンの収穫量がある沖縄県、3位は約61トンの収穫量がある岐阜県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のモロヘイヤの栽培面積は約76ヘクタール。収穫量は約872トンで、出荷量は約827トンです。