まいたけ 舞茸 Maitake
基礎データ DATA
マイタケの概要

まいたけは、香りとうまみ、そして歯触りのよさが特徴のきのこです。煮ても炒めても揚げてもおいしく、1年を通じて気軽に入手できます。
一般に出回っているまいたけは、ほとんどが菌床栽培によるものですが、まれに原木栽培のものもあります。原木栽培のまいたけは、天然のまいたけに近い味がするといわれていて価格は高めです。天然のまいたけはさらに高くなります。
マイタケの歴史

まいたけはアジアやアメリカ、ヨーロッパなどの温帯以北に分布していて、日本にも自生していました。
古い記録としては、食べると無意識に踊ってしまうきのことして、平安時代末期の「今昔物語集」に登場しています。ただ、文末に「近頃、舞茸というきのこはあるが、これは食べても踊りださない」とも書かれているので、「踊る舞茸」のほうは毒きのこだったと考えられます。また「食べても踊らない舞茸」が現在のまいたけと同じものかどうかはわかりませんが、名前はすでに存在していました。
また江戸時代の「大和本草」(1709年)では、菌類の項目で「舞タケ」が紹介されています。特徴がよく似ているため、ここに書かれているものは現在のまいたけと同じものと考えられます。いずれにしてもまいたけは数が少なく貴重な存在で、一般的に食べられていたわけではないようです。
1983年頃から大量に人工栽培されるようになり、一般家庭に普及。その味と食感のよさで今ではすっかり定着しています。
マイタケの保存方法
パックのままか新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。なるべく2~3日以内に食べきりましょう。小分けして生のまま冷凍すれば1か月くらいは持ちます。調理するときはそのまま使えます。
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マイタケの食べ方
炒め物、天ぷら、揚げ物、和え物、鍋物、シチュー、炊込みご飯など
水洗いをすると風味が落ちるので、ゴミなどがついていたらキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。また香りや歯ごたえを損なわないよう、加熱のしすぎも要注意。また、まいたけのうまみ成分や栄養分は水溶性なので、味噌汁や炊込みご飯などにして煮汁ごと食べると無駄がありません。ただ、ゆでると色素により煮汁が黒くなるので注意が必要です。
炒め物、天ぷら、揚げ物、和え物、鍋物、シチュー、炊込みご飯など
マイタケの栄養と効能
ゆで:食物繊維総量(3.6g)、ビタミンD(4.2mcg)、ナイアシン(3.3mg)
注目成分
エルゴステロール、βグルカン
期待される効能
高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、便秘予防、冷え症、風邪予防
カルシウムの吸収を高めて骨や歯の形成をサポートするビタミンDが豊富で、便秘予防に効果のある不溶性食物繊維も多く含まれています。またエネルギーの代謝を助けて血行を促進する働きのあるナイアシンも多めです。
キノコ類に含まれる「エルゴステロール」は日光に当てるとビタミンDに変わります。また「βグルカン」は免疫力を高める作用があるとされます。
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マイタケの種類(品種)
各地の年間収穫量 まいたけ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のまいたけの収穫量のうち最も多いのは新潟県で、約3万6,621トンの収穫量があります。2位は約4,996トンの収穫量がある静岡県、3位は約3,824トンの収穫量がある福岡県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のまいたけの収穫量は約5万6,763トンです。なお、上記グラフでは「収穫量」となっていますが、農林水産省の表記では「生産量」となっています。