みつば 三ツ葉 Mitsuba
基礎データ DATA
ミツバの旬(出回り時期)
※これはミツバの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています
ミツバの概要
1本の茎に3枚の葉が付いている「三つ葉」は、さわやかな香りを持ち、お吸い物や丼などの彩りとしてよく使われます。量が多い場合はお浸しやかき揚げなどにして食べると美味です。
三つ葉には、スーパーでよく見かける「糸三つ葉(青三つ葉)」、軟化栽培によって茎が白く根が切り取られている「切り三つ葉」、茎が太めで根が付いたままの「根三つ葉」の3タイプがあります。用途や好みに応じて使い分けましょう。
ミツバの歴史
三つ葉の原産地は日本や中国などで、野生種は古くから食用されていたともいわれます。しかし日本での栽培の記録は江戸時代になってからで、「農業全書(1697年)」では栽培法や簡単な食べ方が記され、「大和本草(1709年)」ではイラストが描かれています。
軟化栽培は江戸時代から行われていて、日光栽培による糸三つ葉(青三つ葉)の栽培も明治時代以前に西日本で行われていたようです。
ミツバの選び方(見分け方)
葉が鮮やかな緑色で香りが強く、葉、茎とも張りがありみずみずしいものを選びましょう。葉が黄色がかっていたり、茎が半透明になっているものは鮮度が落ちています。茎の白い根三つ葉と切り三つ葉は、茎にツヤがあるかどうかもポイントです。
ミツバの保存方法
三つ葉は日持ちしないので早めに使い切りましょう。新聞紙などで包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。乾燥防止のため新聞紙を軽く湿らせるか、根の部分を湿らせたキッチンペーパーを巻いておくとよいでしょう。
また適当な長さに切って、湿らせたキッチンペーパーを敷いた保存容器に入れておくという方法もあります。いずれも3~4日を目安に。乾燥すると香りが落ちます。
ミツバの食べ方
汁物や丼物の彩り、かき揚げ、お浸し、炒め物など
糸三つ葉と切り三つ葉は、生のまま吸い物や丼、茶碗蒸しなどに散らして風味付けに。ゆでる場合は香りが飛ばないよう、熱湯に軽くくぐらせる程度にしておきましょう。天ぷらやかき揚げにしても香り豊かで美味です。
根三つ葉は食感がしっかりしているので、サッとゆでてお浸しや和え物、卵とじなどにするとよいでしょう。
ミツバの栄養と効能
糸三つ葉/ゆで:カリウム(360mg)、βカロテン当量(4100mcg)
根三つ葉/生:カリウム(500mg)、βカロテン当量(1700mcg)
注目成分
クリプトテーネン
期待される効能
高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、がん予防、風邪予防、ストレス緩和
三つ葉は抗酸化作用のあるβカロテンが豊富です。根三つ葉はお浸しや和え物などにしてもおいしいので、たくさん食べるようにするとよいでしょう。高血圧予防によいとされるカリウムも多く含みます。
糸三つ葉は西洋かぼちゃ並みのβカロテン含有量ですが、糸三つ葉は一度に食べる量が少ないので、栄養面ではあまり期待しないほうがいいかもしれません。
三つ葉のさわやかな香りは、クリプトテーネンなどの成分によるもので、ストレスを緩和したり精神をリラックスさせる作用、さらには食欲を増進させる働きがあるといわれています。
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ミツバの種類(品種)
糸三つ葉
「青三つ葉」とも呼ばれ、多くが水耕栽培されていて周年出回っています。根元にスポンジが付いているものはほぼすべて水耕栽培されたものです。根元まで日光に当てるため根も青く、香りも豊か。お吸い物や丼、茶碗蒸しなどの彩りに適しています。
切り三つ葉
根株をハウスなどで日光に当てず軟白栽培したもので、収穫時に根元をカットしています。茎は白くて細めでやわらかく、やさしい食感と上品な香りが持ち味です。お吸い物やお正月の雑煮など幅広く使われます。12〜2月が旬。
根三つ葉
畑などで日光に当てないよう土を寄せて軟白栽培したもので、茎は白くて太め。糸三つ葉より風味が強く、歯ごたえがあります。お浸しや和え物などにするとシャキシャキした食感が楽しめます。3〜4月頃が旬です。
各地の年間収穫量 みつば
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
出典:農林水産省統計
2022年のみつばの収穫量のうち最も多いのは千葉県で、約2,800トンの収穫量があります。2位は約1,930トンの収穫量がある愛知県、3位は約1,640トンの収穫量がある茨城県です。
栽培面積・収穫量の推移
出典:農林水産省統計
2022年のみつばの栽培面積は約826ヘクタール。収穫量は約1万3,400トンで、出荷量は約1万2,500トンです。