玉ねぎ スマイルボール
登録日:2021年10月31日
スマイルボール
生食しても辛味がなく、カット時に涙が出ないという玉ねぎ「スマイルボール」を購入しました。これはハウス食品グループが開発したもので、辛味がほとんどないため、カット後に水にさらす必要がなく、そのまま食べられるのが大きな特徴です。
玉ねぎは催涙成分が発生することで辛味を感じるのですが、スマイルボールはそれがほとんど発生しません。そのため生で丸ごとかじることも可能だそう。2015年から発売を開始していて、今のところ一部の通販サイトや百貨店などで販売されています。
今回購入したスマイルボールは、1個100g前後と小ぶりでした。中玉だと200g程度になるそうなので、これはSサイズですね。なお、いわゆる「新玉ねぎ」も辛味がありませんが、新玉ねぎの旬は3月から5月頃。一方、スマイルボールは9月末から1月に流通するため、この時期に辛味のない生の玉ねぎを利用したい人にはありがたい存在となります。
実際に食べてみると、本当に辛味が少なくて食べやすいです。完全に辛味ゼロというわけではありませんが、スライスしてそのまま食べても遠くのほうでほんのり辛味を感じる程度。ドレッシングをかけるとほぼ感じません。サラダはもちろん、サンドイッチやタルタルソースなどにもよさそうです。もちろん加熱してもおいしく、丸ごと電子レンジで加熱してバターポン酢で食べても美味でした。
スマイルボールが辛くない理由ですが、これにはハウス食品グループらが発見した、催涙因子合成酵素「LFS」が大きく関わっています。玉ねぎの辛み(催涙成分)は、「アリイナーゼ」という酵素が作用して生成されるということは知られていましたが、新たに発見したこのLFSも必要不可欠なことがわかりました。つまり、2つの酵素のうちどちらか一方が少なければ辛味が減少することが判明したのです。そこで研究チームはLFSの働きを抑制した玉ねぎの開発に着手。するとその結果、LFSではなくアリイナーゼの少ない玉ねぎスマイルボールが誕生したというわけです。
なお、このLFS発見の研究論文は2002年に学術誌「Nature」に掲載され、それが評価されて2013年に「人々を笑わせ、考えさせてくれた業績」に贈られるイグ・ノーベル化学賞を受賞。「タマネギが人を泣かせる生化学的なプロセスは、科学者が考えていたより複雑であることを明らかにした」というのが授賞理由でした。
ちなみに、同社のリリースでは「スマイルボール」<栗山スイート>とも書かれているのですが、「栗山スイート」は品種名でしょうか。生産地が北海道夕張郡栗山町なので、この名前は地名にちなんで付けられたみたいです。