野菜室と冷蔵室って何が違うの?

部屋によって温度や湿度の設定が異なる

冷蔵庫は要冷蔵・冷凍食品だけでなく、野菜の鮮度維持のためにも欠かせないものです。野菜を買ってきたら、とりあえず冷蔵庫の野菜室に入れておくという人は多いでしょう。しかし「なぜ野菜は冷蔵室には入れないのか」という疑問を感じたことはありませんか。冷蔵室と野菜室、この2つはいったい何が違うのでしょうか。

冷蔵室と野菜室の大まかな違いは温度と湿度です。メーカーや機種にもよりますが、冷蔵室は2度から6度くらいで、野菜室はそれよりも少し高い3度から8度くらいに設定されています。また、野菜室は冷蔵室に比べて湿度が高くなっています。つまり、野菜室のほうが温度が低すぎず、ほどよい湿度により野菜の鮮度が保てるというわけです。

ただ、野菜室の湿度は機種によってかなりの差があります。高湿度機能を備えた冷蔵庫は60%から90%くらいになりますが、そうでないものは20%から50%くらいのようです。参考までに2010年に発売された冷蔵庫の湿度変化を調べてみたところ、冷蔵室では10%から20%、野菜室では20%から30%という結果でした(※)。確かに冷蔵室より野菜室のほうが湿度は高かったのですが、高湿度タイプのものと比べるとずいぶん低めです。このように機種ごとに湿度の値が異なるので、その特性を理解して野菜を保存するようにしましょう。

ちなみに高湿度の野菜室は、野菜をそのまま入れても鮮度が落ちにくいとされますが、必要に応じて新聞紙やポリ袋、ラップなども利用するとよいでしょう。また湿気に弱い玉ねぎやニンニクなどは高湿度野菜室に入れないようご注意ください。

※検証には一定間隔で温度と湿度を計測するデータロガー(EL-USB-2-LCD)を使用しています

もやしは温度の低いチルド室がおすすめ

冷蔵庫にはチルド室やパーシャル室が用意されている機種もあります。チルド室は2度から0度、パーシャル室はさらに低めのマイナス1度からマイナス3度の温度設定になっていて、いずれも肉や魚などの鮮度を保つのに適してます。チルド室は食品が凍る直前の状態で保存され、またパーシャル室は表面が少し凍った状態で保存することが可能です。肉や魚はチルド室なら2日から3日、パーシャル室は約1週間保存できるとされます。

より長く保存したければ冷凍という選択肢になりますが、肉や魚を一般の冷凍庫(マイナス16度からマイナス20度)で凍らせると、細胞が壊れるなどして質が落ちてしまいます。しかし0度近くの温度なら細胞への影響が少なく鮮度が保てるため、チルド室やパーシャル室が便利というわけです。なお、もやしは鮮度の低下が早く低温での保存が好ましいので、野菜室よりもチルド室での保存がおすすめです。