野菜保存に便利なブランチングとは?

軽く加熱してから冷凍すると細胞が壊れにくい

野菜は買ったらすぐに食べるのが理想ですが、使い切れない場合は冷凍保存が便利です。もちろんストックするためにあえて野菜を凍らせておくこともあるでしょう。冷凍保存は多くの野菜で実践することが可能で、ほうれん草や小松菜、レンコン、にんじん、ブロッコリー、枝豆、さやいんげんなどの野菜であれば約1か月くらい保存できます。

ただ、野菜を冷凍すると多少なりとも食感が変わってしまうのが悩みどころです。ブロッコリーやさやいんげんを解凍したらフニャフニャになってしまった、という経験のある人は多いのではないでしょうか。

冷凍野菜が水っぽくなってしまうおもな原因は「細胞の破壊」にあります。野菜を冷凍すると、細胞内の水分が凍ってふくらみ、細胞壁を破壊してしまいます。そして解凍時に細胞から水分が流れ出すことで、フニャッとやわらかくなってしまうのです。

そこで注目したいのが「ブランチング」という方法です。ブランチングとは冷凍前に行う加熱処理のこと。野菜を冷凍する前に軽くゆでたり蒸すことで細胞をやわらかくし、細胞壁の破壊を抑えることができます。また、ブランチングすることで、野菜に含まれる酵素の働きを抑え、傷みや変色も防いでくれるのです。

ブランチングのやり方はいたって簡単。かためにゆでてから冷凍すればOKです。ポイントは「かために仕上げる」ということ。加熱時間は野菜の種類や切り方にもよりますが、30秒から3分くらいが目安です。様子を見ながら加減してください。

加熱後は素早く冷まし、水気をしっかりふいてから冷凍しましょう。その際、熱伝導率のよい金属トレイに並べて冷凍すると早く凍ります。凍ったら冷凍庫から取り出して、ラップで包み、保存用袋に入れれば完了です。約1か月を目安に使用しましょう。調理する際は、そのままゆでたり炒めたりできます。

ポイント

  • 加熱時間は短め、かために
  • 素早く冷まして水気をしっかり切る
  • 金属トレイで素早く冷凍

ブランチングが可能な野菜

ほうれん草、小松菜、レンコン、にんじん、ブロッコリー、カリフラワー、枝豆、さやいんげん、さやえんどう、ゴーヤ、かぼちゃ、里芋、大根、かぶ、オクラ、アスパラガス、ごぼうなど

ブランチングにむかない野菜

レタス、きのこ類、トマト、きゅうり、じゃがいも、白菜など